アーティストダマシイ

ボクサーが　レフリーに

戦えるのかと　問われると

戦える意思を表示するために

ファイティングポーズをとる

あごの両側に拳を握り　まだやれると

目がうったえる

僕は街に歌いに行くがほとんど歌わずにギターを抱え

ポロロンとならして帰ってくる

これは何の儀式なんだろう

お客さんなんか来なくていいと思う

来て自信を失うようなことを言われるのが怖い

立ち上がれそうにないからだ

きわめて自己満足的な儀式を執り行なって街をあとにする

街でギターを抱える行為だけでもファイティングポーズと見なしてくれないだろうか

レフリーはどうジャッジするだろう？

試合を続けさせてくれるのか？

それとも両手を振ってKNOKC OUTのジャッジを下すだろうか？

いずれにしても

ファイティングポーズらしきものしか

示せないんだ

これからも唄っていこうね


07/12/01 D902is

ふだんどんな音楽聞くの？

―ふだん音楽聞かないの…好きな音楽もないの…あたしって変わってるの

テレビも点けてるけど　見てないんだよ　変でしょ

感動した映画は？DVDとか？

―え〜ないよ　あたし映画もDVDもあんまり見ないんだよね

死にたいって思ったことある？

―えーないよ　

悩んだりしないの？

―しない　あたし何も考えてないんだよね
　何かあって「お母さんに相談すると　なるようにしかならないんだから気にしないのって　育てられたんだ」

へー　そっか…　

自分より馬鹿な人を見て　安心した

自分の罪を人にきせて　楽をした

私の弱さを認められずに　最期の最期には　世の中の所為にした

成功する人をねたみ　短所を探った

見つかったのは醜い　惨めな自分だった

誰もが　そうだと結論付けて　最期の最期には　世の中の所為にした

悲しいニュースを見て　涙を流して　自分はあたたかいやつだと　満足してる

大事なのはニュースの中身なのに　涙に浸って　泣けたこと　自慢する


07/05/07 D902is

『自分』小谷美紗子

午前様を回ってから

街に行った

ごっか　が歌っていた

僕はギターを抱いて

しばらく横で　爪弾いていた

サラーリーマンらしき　若者が　千鳥足で

近づいて来て

僕らに何やら

絡んだ

何が言いたいんだかよくわからない

ごっかが懸命に歌い

サラリーマンが

神妙に聞いていた

しばらくすると

サラリーマンは

ごちそうさまでした　と言って帰って行った

ごっかも　一発○いて寝るわ　と言って帰って行った

しばらく一人でたたずんでみる

無想転生などとつぶやいてみる

んー先が見えない

信じるの

ブレないで

曲げないで

わけわからなくても　男は女を支えるの

答えは自分の内にあるの

街に行った

ギターケースに雪が舞い込んで来た

唯一　玉置浩二さんの　常夜灯だけ歌いたくて歌った

「街角に立って　口笛吹いてくれよ

　夜のパズルに迷いこまないように

　こたえはいつだって　未来を照らしている

　星に手が届くはずもないのに…」
　

ちょうど女の子が三人前を通りかかった

白い毛で出来たあったかそうなコートに身を包んだ姿を見て

あ〜まるでクリスマスみたいだと思った

君の歌をきっとつくろう　

そうおもった

街に行った

素敵に歌う女の子がいた

すべてカバーだけど

やさしい

気持ちのいい歌声だ

しばらく横で合わさせてもらった

その後

一人で歌った

駄目だ

駄目人間じゃないんだろうが

んー何とも救いようがない

歌いたくないんだ　きっと

こういうときは

どうしたらいいんだろう

最悪なんだけど

こうして生きている

あたたかなぬくもりに

手を伸ばしてみても

誰一人心の中を知るものなどない　かー？

枕に顔をうずめて

ここが唯一の僕の居場所のように

眠った

「きっと報われるから」

そう言って

ギターケースに１０００円を入れてくれた

「きっと報われるから」

そうかーきっと報われるのかー

「わからない」
「きっと報われる」

ギターを抱きに街に行った

ギターを抱く　という行為そのものも僕はアートだと思う

以前　この人にギターを持たせたいな〜と思う女性に出会った

きっとキャロルキングのような雰囲気を醸し出すんじゃないかと思った

ギターとか弾かないんですか　と尋ねたら、彼女は　はっ？ってな表情で　首を横に振った

ギターすごく似合うと思います…と言ってあげた

たしかコンパの場だった

ギターを抱いて

それだけで満足して

いただいたバーボンを舐めながら

DVD水木しげる大全を見ようと　家路についた

水木しげるさん　ほんといい味でてる

ギターを持って出かけたら

カズシさんに会った

正人君に会った

武に会った

ごっかに会った

カズヤに会った

ナオ君に会った

かりちゃんに会った

朝の７時まで飲んで

車の中で昼まで寝て帰宅した

家でも夕方まで寝ていた

少しずつ動けるようになって来た気もする

ごっか　ありがとう

でもビールを倒すのはやめてね

昨夜は

街でうたい

お金をもらった

さすが　師走　人の流れも多いな

この　morrisの弦 替えないといけないな

もう少し　このままでいくか

クリスマスにむけて　１曲つくれそうかな

なるようにしかならない

滑稽だな

今日は、古町にうたいに行った
素敵な人生の先輩に会った
なんだか勇気が湧いた

明日は休みだ
街に行ってみよう
何かに気付くかもしれない
誰かと出会うかもしれない

今日古町で、ギターをもって旅する青年に会った。
「ギターを持って旅をする」
この行為は、数年前、僕たち唄うたいの中では、賞賛に値する行為ととらえられていた、と思う。
修行僧のように旅をして、多くの経験を積み、人生の達人のごときオーラを身にまとい帰還する。
フィクションみたいな物語をノンフィクションにやってのける、いわば現代のドンキホーテになろうとしていた。
僕もギターを持ちヒッチハイクをしたり、寝袋で寝泊まりしながら九州まで旅をしたことがある。
こういった行為を通じて何を得たか？
こたえは簡単には書きあらわせない。
一方で単純なことを遠回りして理解したとも言える。
ただ、僕にとってはこうして冒険みたいな経験を通じてしか理解できなかったんだ。
単純なことでさえ。

宮崎を出発した彼は４年間かけて新潟にきたのだそうだ。きっといろんな街でいろんな出会いがあり、時にはそこに腰を降ろしたのだろう。

結論から言うと、彼の歌う姿を見て、どうしてそこまで感情を込めて歌えるのかと思った。
旅人はその場が勝負なのかもしれない。

彼はそこで、ここで　何を残すか、何を感じてもらえるか、に勝負を挑んでいるように見えた。
よくも悪くも、自分を中心に何か、騒動を起こさなければ、存在理由はないのだと無意識に深く自覚しているようでもあった。
たしかにそれでないと旅人の意味はない。
彼は、ちゃんと旅をしていると思った。
明日も新潟にいるのか？と聞いたところ明日は三条、そして　次は佐渡に渡ると言っていた。

また会いたいと思った。
そう僕に思わせた彼は　だからこそ旅人の資格を持っているといえる。

「人生は旅である」という。
僕の人生は旅といえるかな？

ソウルレディー３６才
古町で夜な夜なギターを弾いてます
ギターを弾きたいから仕事を辞めました
ちなみに彼女はいません
最近は仕事始めたけどやっぱりギターを弾いてます
こんなソウルレディーだけど　いつまでも歌い続けるのは　自由だー！
ソウルレディー is Freedam　ソウルレディー is Freedam
Say　ソウルレディー is Freedam　ハイおっきな声で　ソウルレディー is Freedam♪

でも　お客さんいません　

やってきました　上越　２回目です

今回は新発見をしました

えーっと　上越は変態です（笑）

僕の歌に『女』と題するものがあるんだけど

上越のお客さんは、拍子を入れてくれ、手拍子までいただき、マスターに至っては

「馬鹿にすんな〜よ　馬鹿にすんな〜」と一緒にうたってくれました

いや〜新潟では過去そんなこと ありませんでした

びっくりです

忍者服部君を筆頭にする上越のアコースティックシーン

これからますますおもしろくなりそうです

服部君、マスター、出演者の皆さん始め、ほんとうに上越に皆さんありがとうございました

修行を積み　先生に返り咲きたいです（笑）

歌っていたら、これを読んでおくれと、レバノン情勢についてのまとめたレポートをもらった。その方は、歴史は繰り返す、十字軍とオスマントルコの戦いと同じだと力説されていた。
王子製紙の北越製紙買収についても言及していた。

今日は１４時に起床し、つめこむだけの飯を食べて、カラオケボックスに行った。
煮詰まった。
それから、曽我ッチの家に遊びに行き、洗濯機をもらった。
その後、また　つめこむだけの飯を食べて、街に行った。
どうしようもなく冴えなく歌っていた。どうしたらいいんだろうと途方に暮れながらうたった。
あーあと思いながらうたい終える。うつむいていた。
ふと見上げると４０代前半くらいの男性が近づいて来てギターケースの中にお金を入れてくれた。
ありがとうございます。と言って立ち去る男性を見ていた。お金だけ入れて歌は聞いてかないんだなーと思いながら。
ふと　ギターケースの中を見ると５千円札が入っていた。
どうしたんだろう？あの男性は…何があったんだ？
僕は何もしてないぞ。
悩ましげに苦悩に満ち満ちていただけだぞ。
んー不思議だ。しばらく呆然としたのち。
やっぱ頑張れってことだよな、と気を入れ直しうたった。
それでも、根本は冴えなかった。だから、冴えないなりの頑張りだ。
雨が屋根の隙間から垂れていた。地面に落ちるまでのあいだにそうなるのか、落ちたことによってなるのかは分からぬが、それが霧状になって僕の腕にふれる。
いつまででもここにこうしていられるが、いる理由もない。
帰るかな？帰る理由もない。
まあ　布団は恋しいか。